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弘法大師と紀州犬
平成16年にユネスコから世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」
の高野山、熊野三山及び吉野・大峯の三霊場の一つ、高野山には紀州犬の
祖先犬に纏わる有名な話が今日まで伝わっていることは、周知のところであ
ります。
空海(後の弘法大師)が平安時代に唐から帰国して真言密教の霊場を求めて
旅をしていたところ、白・黒2頭の犬を連れた狩人に出会って、この2頭の犬が
空海を守護して高野山の霊場まで導いたといわれています。
紀州犬物語(弥九郎とマンのお話)
江戸時代、紀の国は阪本村に弥九郎という鉄ぽう撃ちの名人がいました。
ある日の夜、弥九郎が山道を歩いているとのどに骨がひっかかり苦しんでいる
一匹のオオカミがうずくまっていました。
弥九郎は骨をぬいてオオカミを助けると「もしよければ、おまえの子供を一匹
おれにくれんか。」といって、オオカミを放してあげました。
それからしばらくして弥九郎の家の前に一匹の子犬がおいてありました。
弥九郎は、これはあのオオカミの子にちがいないと思い「マン」と言う名をつけて
大事に育てました。
ある年、新宮のお殿様が狩りをした時、1頭の手追いのイノシシが
殿様めがけて突進して来ました。
それを見たマンはイノシシにおそいかかりみごとにたおしてしまいました。
こうしてマンは、このあたりでは知らない人がないほど有名になりました。
しかし、弥久郎のおばさんがこんなことを言い出します。
「オオカミは千匹殺すと、飼主にも襲いかかるというよ。
虫でも1匹になるので、マンももうそろそろなのではないのかい」
マンはその夜遅くに遠吠えを3回すると、弥久郎の前から姿を消してしまいました。
この弥九郎の犬マンが、後の紀州犬の先祖だということで、紀州犬はオオカミの血を
ひいているといわれています。
マンの主、弥九郎は実在した人で阪本の岩洞院というお寺にお墓も残されています。