「紀伊半島の奥座敷・北山川ジェットコースター(上瀞峡:小松〜田戸)」


スタート場所:和歌山県東牟婁郡北山村 「小松 」      ゴール地点:小松から約7km下流の「 田戸


行き方:大阪方面からは奈良県五條からR168を南下。十津川村滝よりR425を経て葛川トンネル経由でR169へ。

[一般情報]
一般的には熊野川・瀞峡として知られていることが多いが、正しくは和歌山県本宮町の宮井大橋までが北山川でありここで熊野川(新宮川)と合流する。
ここから下流は熊野川(新宮川)として熊野灘へと流れるのである。

今回紹介するコースの小松〜田戸までを下る場合は、国土地理院の1:25,000で「 大沼」「瀞八丁」を用意しよう。
小松の更に上流「オトノリ」から下る場合もこの2枚でOK。

以前、北山川へ来るにはR168を本宮まで南下し新宮川と北山川の合流点でR169を北上して瀞峡を目指した。
ところが地図をよく見ると、十津川村の滝からR425へ入り葛川トンネルを抜けてR169へ行くのが近そうである。
実際に行ってみると、崖っぷちにへばりつくようにうねうね道を行くとR169の田戸のあたりへポンと出る。
本宮を経由するよりはるかに時間と距離を短縮できる。これはオススメです。ただし、夜に走るとメッチャ怖い!

[スタート地点:小松]
R169を小松へ。
国道に架かる橋の欄干にいろんな動物のオブジェが付いており目を楽しませてくれる。道路設計者の遊び心を高く評価したい。
トンネルをいくつか抜けると小松の展望台だ。ここからコースのプロローグ部分が俯瞰で見てとれるのでぜひ立ち寄ろう。
展望台から下流方向を見ると、小森発電所の放水口とその下に最初の関門、「下滝の瀬」が見える。
展望台から小松へと降りる道を辿ると小松の駐車場へ到着。
小松には駐車場の他にトイレ・シャワー室も完備している。
小松は北山村の観光筏(いかだ)下りのゴール地点でもあり、これらの施設が完備されているようです。
尚、売店や食堂等の店は一切ありません。

[ゴール地点:田戸]
田戸には「サラリーマン転覆隊」でも紹介された「瀞ホテル」が崖にへばりつくように立っている。
ホテルというからそれなりの建築物をアタマに描いていたが、なかなかどうして大正ロマンを彷彿させるような佇まいの旅館風味満点の宿である。
いちどゆっくりと泊ってみたいものだ。

小松(オトノリ)から下る場合のゴール地点には田戸を薦めます。
ここ田戸には無料駐車場があり50〜60台(もっとかな?)は駐車が可能。デポには便利である。
田戸の駐車場から河原へ降りるには長〜い階段をひたすら降りる。
階段は、先途の瀞ホテルの脇を通り河原へと続く。重い艇だとかなりの体力を要求されるトコである。
ここをゴールとした場合は、この長い階段を担ぎ上げるという試練が待っています。

食料の類いは事前に用意するのは言うまでもないが、田戸でもこんなモノなら手に入る。
駐車場にはトイレとジュースの自販機しかないが、河原へ降りるとジェット船の観光客相手の露天がある。
ご当地名物の「めはりずし」「鮎の塩焼き」「ビール」「ウーロン茶」などを売っている。

田戸の下は瀞峡(どろきょう)である。
時間があるなら田戸から瀞峡をめぐり再び田戸まで漕ぎ戻ることもOK。ここはおすすめビューポイントです。

[コース紹介]・・・ ■川地図はこちら■
上流の小森ダムからは観光筏下りに合わせて20t前後の放水を行っている。(シーズン中、10時〜)
それ以外の場合は、小松をスタートしてから小森発電所放水口までは通常は全く流れがない。
ちなみに小森発電所の発電放流もダム放流もない場合は水がなくなるためツアーはできません。
したがって、小松の展望台で発電放流していることを確認してから漕ぎ出すことをオススメします。
このコースの難所は最初の「下滝の瀬」と最後あたりの「小和田の瀬」の2箇所。
小森発電所の放水口を過ぎたら、いよいよ北山川ジェットコースターの始まりです。

これが下滝の瀬!
[下滝の瀬」
放水口を過ぎてすぐに岩が立ち並ぶ「下滝の瀬」が現れる。
始めての人は瀬の手前で右岸に上陸しスカウティングしましょう。
下滝の瀬は大きく分けて2つのルートがある。
ひとつは、左岸寄りの比較的セーフティなルート。
左岸寄りを漕ぎ進めば怖い思いをしなくても瀬の出口まで行くことが出来ます。
ふたつ目は、川の中央からやや右寄りの岩の間から中央突破するルートがチャレンジコース。
チャレンジコースは3級レベルの落ち込みを伴う瀬ですが、水深もあり隠れ岩もないので安心して突っ込めます。
最初の落ち込みをクリア後しばらくもがいたら次は大きな2つ岩が待っています。
水流はこの2つの岩の間を縫って流れていますが、右の岩に流れが当っています。
アンダーカットは無さそうですが、水流が複雑なので慎重に流れを読んで落ち着いて行けばクリアです。
最初の侵入では最右岸寄りからも侵入は可能ですが、最初の落ち込みの後に岩が露出していますので入らないほうが無難ですね。
ここで沈した場合、パドル・カヌーごとすばやくエディに入り込めればいいのですが、本流に乗って流されたら200〜300mは覚悟してください。
たとえ流れ着いても両岸は切り立っており足場が悪いため、水抜きには苦労させられます。
ここを無事に抜ける事ができれば、しばらくは安心して川下りを楽しめるでしょう。
 

後ろの白いトコが小和田の瀬
[小和田の瀬]
下滝の瀬を抜けてからは瀞と瀬の繰り返しでカヤッカーを飽きさせない。
また、北山峡谷独特の幽玄とも思えるような断崖絶壁の間を北山川は流れます。時折、野生の猿も出没し楽しませてくれます。
小松から3〜4km漕いでそろそろ半分、と思う頃に左岸に大きな岩を斜めにスパッと切った滑り台岩が見えてくる。
滑り台が見えたら小和田の瀬はもう近い。
川の流れが左岸寄りになりザラ瀬が現れる。
ザラ瀬とバカにしていたら急に流速が早くなり、先行していた仲間の姿が視界からフッと消える。
これが小和田の瀬である。
ここはややこしいルート取りを意識する必要は無く、本流1本勝負しかない。
発電放流での流量ではルートは左岸に絞られる。
ただでさえ瀬は怖いのに迫り来る左岸の岸壁が恐怖心をあおる。
どうしよどうしよ?と思うまもなくストンと落っことされて2〜3回アタマから波を被ればおしまいである。
一瞬で終わってしまうので物足りないという向きもあろうが、増水時のパワーは容易に想像される。
瀬のあとはボイルが沸きあがっているので気を許すと引っ掻き回されて疎沈し笑い者になります。
瀬の下の右岸側は大きなエディです。
ここのエディは平常水位でも上流に向かって流れており、増水時は渦巻きができる。
小和田を過ぎればあとは名のある瀬は板津呂(イタズロ)の瀬だけであるがここは強烈な瀬では無い。

1〜2キロも進めば北山川観光ジェット船が現れるようになる。
ジェット船は上瀞峡まで遡りUターンするのだ。
ここまでくればもう田戸は近い。
上瀞の素晴らしい自然を堪能しつつ、いくつもの瀬を漕ぎぬけた仲間たちを称え合おう。
頭上に架かる吊橋が見えたらもうそこは田戸だ。
田戸のテント前の瀬を滑り降りてゴールとしよう。

ここは日本中のカヌーイストならだれでも知っている、いわば関西が日本いや世界に代表するカヌーコース。

いつ行っても誰が行っても、この素晴らしい自然が同じ姿で出迎えてくれるよういつまでも大切にしたい。




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