対決 巨匠たちの日本美術

2010.5 内容改定

2008/7/8〜8/17 東京国立博物館

熱い展覧会が行なわれている。12組の巨匠の作品を"並べて"鑑賞しょうという壮大な企画である。空前絶後と言ってもいい、日本美術を代表するメンバーの作品。国宝10件、重要文化財約40件を含む、計100余件の名品揃い。
メンバー表 (展示順とは違います)
 ■ 若冲 vs 蕭白
 ■ 雪舟 vs 雪村 
 ■ 応挙 vs 芦雪
 ■ 永徳 vs 等伯 
 ■ 歌麿 vs 写楽
 ■ 運慶 vs 快慶    
 ■ 長次郎 vs 光悦  
 ■ 宗達 vs 光琳  
 ■ 仁清 vs 乾山  
 ■ 円空 vs 木喰  
 ■ 大雅 vs 蕪村
 ■ 鉄斎 vs 大観  

下段
上は、雪舟の「慧可断臂図(えかだんぴず)」の一部。国宝です。
下は、雪村の「蝦蟇鉄拐図(がまてつかいず)」。


若冲 vs 蕭白
「奇の巨匠」とも言うべき二人の対決である。
対決 若冲

「仙人掌(さぼてん)群鶏図襖」
全部で6面ある。重要文化財

若冲の代表的作品。見事な色彩です。
大阪は豊中の西福寺所蔵。毎年11/3のみ天気が良ければ公開される。

君は若冲を見たか?
若冲展 釈迦三尊像と120年ぶりの再会
蕭白

群仙図屏風」左側の6面。
文化庁所蔵 重要文化財

あまりにも有名な作品。
右6面もすごいですよ。
対決 若冲の「旭日鳳凰図」

宮内庁三の丸尚蔵館

ひとつひとつのモチ−フを丁寧に描き、圧倒的華麗さ。
蕭白の「鷹図」
兵庫・香雪美術館

奇怪で豪放な絵と違う。
幹のところは何やら怪しげではあるが。
* 

やはり蕭白は、こんな絵ですかね。
唐獅子図
2メートルの巨大な作品、口を開けている獅子と、口を閉じた獅子の2対の作品。
三重県・朝田寺蔵
。年に一度公開している。
永徳 vs 等伯   
この二人は時代も同じ、まさに対決していた。永徳は桃山画檀の英雄であった、それに敢然と立ち向かったのが等伯である。
対決 永徳

檜図屏風 (ひのきずびょうぶ) 国宝
東京国立博物館
木がダイナミック

狩野永徳展
等伯
松林図屏風 (しょうりんずびょうぶ)国宝
東京国立博物館

「幽玄」というのは、こんな雰囲気なのだ。
対決 永徳

「松に叭叭(ハハ)鳥・柳に白鷺図屏風」
右隻の一部

最近発見された作品。

叭叭鳥は水墨画に良く出てくる鳥。
松の根は、まさに永徳です
等伯

「萩芒(ハギ ススキ)図屏風」 右隻の一部
京都 相国寺

左隻はススキ。
右と左の対比が面白い。

没後400年 特別展 長谷川等伯
歌麿 vs 写楽
片や美人絵、片や役者絵と分野は違うが、錦絵の絶頂期の寛政の時代に活躍した二人である。
対決 歌麿

婦女人相十品・ポッピンを吹く娘
写楽と言えば、この作品

三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛


写楽については、「東洲斎写楽」もご覧ください。
宗達 vs 光琳
「黄金の対決」ですね。光琳にとっては宗達は血縁につながる人、芸術の師である.
対決 宗達

「秋草図屏風」一部

「風神雷神図屏風」が対決の目玉だが、会期の最後1週間しか展示されない。
光琳

「竹梅図屏風」一部
応挙 vs 芦雪
芦雪は、応挙の数ある弟子の中の一人。
対決 応挙
「猛虎図屏風」一部

これが観たかった  芦雪の虎図襖

3メートルの大きな作品である。
観たかったのです(笑)
和歌山・無量寺内の串本応挙芦雪館蔵

すごい力で迫って来て圧倒されます。
運慶vs快慶
ほぼ同時代に活躍した慶派の巨匠
対決 運慶

地蔵菩薩坐像 京都 六波羅蜜寺

六波羅蜜寺 で出会ったことがあります。

運慶は、ここで特集してます。
これが運慶だ。

以前は、東大寺南大門金剛力士(仁王)像が、運慶・快慶の作と言われ、どっちが運慶か推測するのも楽しみだったが。
平成の解体修理の結果、像内納入文書から運慶が制作の総指揮を行い、運慶、快慶、定覚、湛慶(運慶の子)が小仏師多数を率いておよそ2か月で造立したものであることが裏付けられた。
快慶

地蔵菩薩立像 

東大寺 公慶堂

公慶堂は日頃公開してないので、東大寺へ何回も行ってるが会った事がありませんでした。

22年から年2回公開されることになった。
4/12、10/5

快慶作品は
兵庫県 浄土寺阿弥陀三尊像(国宝)が
見事です

雪舟 vs 雪村
共に室町後期の人だが、雪舟が亡くなるとき、雪村は生まれて間もなくだった。似た画風ながら繋がりはない。
対決 雪舟の
慧可断臂図(えかだんぴず)」。国宝。

愛知 齋年寺

面壁座禅する達磨。
自らの左腕を断ち切って入門を願う僧「神光」
入門を許し、慧可の名を与える。

凄まじいテーマの絵です
雪村

呂洞賓図(りょどうひんず)

奈良 大和文華館

会場では、上記ポスターにあるように、対決の作品は「蝦蟇鉄拐図(がまてつかいず)」ですが、これにしました(笑)

身震いする位の迫力があります。
呂洞賓が龍に変身しつつ昇天する姿。

大和文華館でも会いました。

この作品は前期だけの展示なので対決にしなかっただけとは思うが。
円空 vs 木喰
共に、放浪の修験僧。
対決 円空

虚空蔵菩薩立像

岐阜・高賀神社

64歳で入定(生きたまま穴で即身成仏する)するまでに自称10万の仏像を彫った(現存4500体以上)それが彼の修行だった

円空は鋭角的に、木の元の形を大事に彫る
木喰(もくじき)

普賢菩薩騎象像

長野・乙事十一面観音堂



木喰は、円空没後23年に生まれる。22歳で仏門に入り、93歳にに亡くなる。
5百数十点が残っている。内三分の一以上が新潟県にある。

一木にこめられた祈り 特別展 仏像
では、円空、木喰の二人の作品が、計100体程
展示された。圧倒されるすごさであった。
* 書きもれでもアートだ

鶴下絵三十六歌仙和歌巻


台紙は、俵屋宗達の絵
字は、本阿弥光悦。

何とも、贅沢華麗である。


立派な下絵に、三十六歌仙の和歌三十六首を書く。
大変な緊張ですよね。
で、光悦さん。第一首の「柿本人麻呂」の「柿本人丸」と書く所をいきなり
漏らしてしまった。
後で、細字で追記している(笑)

ありがちな失敗ですが、これもアートです。


絵師の似顔絵バッチ
今回の展覧会に合わせて、山口晃さんが絵師全員の似顔絵を描きました。
ネットで公開してます。

会場でコーナーがありますので見落としなく。(1階)
それをバッチにしたのが売ってます。(2階)
ガチャポンなので何が出るか分かりません。1個200円。たまたま熱心な人が何回もチャレンジしてました。小銭の準備を忘れないように。

左は「円空」。
私は大人の判断(笑)で、一回のチャレンジで終えました。
ライバル日本美術史
ライバル日本美術史
室伏 哲郎 (著)
ライバルメンバー表

絵巻―藤原隆能VS.常盤源二光長
仏像彫刻―定朝VS.運慶
水墨画―雪舟VS.相阿弥
障屏画―狩野永徳VS.長谷川等伯
障屏画―尾形光琳VS.円山応挙
仏像彫刻―円空VS.木喰
浮世絵版画―鈴木春信VS.喜多川歌麿
浮世絵版画―東洲斎写楽VS.勝川春章
浮世絵版画―葛飾北斎VS.安藤広重
銅版画・日本画―司馬江漢VS.絵金
日本画―横山大観VS.竹内栖鳳
陶芸―北大路魯山人VS.加藤唐九郎
洋画―青木繁VS.坂本繁二郎
洋画―梅原龍三郎VS.安井曾太郎
版画―棟方志功VS.池田満寿夫

内容的には、読み応えのある本です。